税理士 確定申告の意味
税理士 確定申告の意味
まじめな教師ほど教師としての理想的な健全さをどこかであきらめざるをえない」と述べている。
以上、前段で最近の雇用・賃金・労働時間の劣化の動向と、続いて後段で健康破壊の現状をみてきた。
前段のような事態のエスカレートが、後段のような健康破壊という深刻な事態を引き起こす主要な背景・要因となっているなによりもこの関連を示したかった。
うつ病などの精神障害は大人だけでなく、子どもの世界でも広がっている。
しかも低年齢化しているという。
北海道大学病院精神神経科によると、うつ症状が原因で欠席が続いていたケースが51例あり、自殺未遂の子もいたということだ。
かれらは直接、労働・職場とのかかわりはない。
しかし、S・お茶の水女子大学助教授によると、不安定な社会情勢のもとで親がストレスにさらされていると、子どもが心理的ダメージを受けたときに支えることができないと指摘する。
結局、掘り下げれば根は一つということだろう。
雇用・賃金・労働時間など労働者をめぐる状況が、先述のように激変している。
地滑り的だ。
このままだと一層それが加速するだろう。
ますます「国民総イライラ社会」状況がひどくなり、精神障害などさまざまな健康破壊が増大するに違いない。
現に近年、うつ病などの精神障害・過労死・過労自殺等が増大していることを右で述べた。
社会経済生産性本部の前掲調査も、今後いっそう広範囲にメンタルヘルス障害が拡大するだろうと予測している。
いつから、なぜ、こんなことになったのか。
まず、ここに至る雇用労働条件の変化・傾向を概観すると、第一段階は70年代半ばからといえる。
日本経済の高度成長が破綻し、企業が競って「減量経営」に突入し、そのもとで終身雇用の「半身雇用」化、年功賃金の「職能給」化、労働時間面では「恒常的残業」化がすすんだ。
第2段階は、85年の「プラザ合意」が異常円高を惹起し、財界はこれへの対応だとして、生産拠点の海外移転とともに、雇用・賃金・労働時間等にたいする「改革」をおこない、職場環境が一段と厳しくなった。
この段階では労働者派遣法の制定など政府のバックアップもあって、雇用の流動化が顕著になった。
若者の不安定で流動的な雇用形態と、それを示すフリーターという表現が広がり始めたのも、このころであった。
しかし、労働市場・一雇用労働条件の変化が本格化するのは、やはり90年代から、とりわけその半ば以降のことである。
私の区分だとこれが第3段階となる。
その第3段階の背景に長期不況と経済のグローバル化があることは指摘するまでもなかろう。
問題は、これらの事態への対応だと称して財界とその意向を汲んだ政府が、一連の「構造改革」・「規制緩和」を強行したことにある。
これと一体で産業・企業レベルでは、生産拠点の海外展開や企業の離合集散・リストラが日常化し、それがいま一段とエスカレートしている。
注意すべきは、こうした国・産業・企業レベルでの財界新戦略の強行が、生産性向上による「国際競争力の回復・強化」を旗印にしていることだ。
労働組合や労働者・国民もこの一見もっともらしい「旗印」のゆえに、財界戦略に抵抗できないばかりか、協力さえしている。
財界・政府が用意した「ドロ舟」に労働者・国民がすすんで乗り込んでいるこれが現状である。
これにストップをかけ、労働者・国民は「希望の船」に乗り換えなくてはならない。
以下、「ドロ船」をもたらしたものを明らかにし、一般にあまり意識されていないようだが、その先に客観的に用意された「希望の船」がみえることにも言及したい。
「ドロ船」の矛盾が「希望の船」を建設できる条件をつくりだしている、ということだ。
いまこの国は「国民総イライラ社会」に陥っている、こう本書で私は今日の異常な状況を特徴づけている。
その直接の理由を、この社会の圧倒的多数者である労働者の状態が「劣化している」こと、「将来不安がエンドレスに増大している」ことに求めることができる。
ではなぜ、そのような状態に労働者が追い込まれているのか。
いろんな理由を挙げることはできるが、根っこをおさえて一言でいえば、財界と政府による「新自由主義改革」「構造改革」の展開・強行ということになる。
いま「財界と政府による」と書いたが、主役は「財界」で「政府」は前者の指示どおりに動く悪質な「財界のしもべ」にすぎない。
これは周知のところであろう。
「しもべ」ではあるが、憲法改悪をたくらむなどきわめて反動的であり、それを取り替える政治革新の意義をいささかも減じさせるものではない。
ところで、その「新自由主義改革」とはなにか。
まず「新自由主義」とはなにか。
これは、社会の資源配分を市場・競争原理に任せよ、そうすれば効率的でうまくいく、という思想・主義である。
結局、「大企業の自由」を最大限に保障せよ、これに制限をつけるな、という強者の論理・イデオロギーにほかならない。
それは分かりやすくいえば、「福祉重視社会」のアンチテーゼである。
つまり、イギリスやスウェーデンなどヨーロッパを中心に第2次世界大戦後形成されたいわゆる「福祉国家」を敵視し、「小さな政府」を求める歴史に逆行する反動イデオロギーといえる。
それは、産業革命後の経済(市場)を支配した「自由主義」思想の、資本主義の発展段階を無視した「再興」であるため、これには「新」が付され「新自由主義」と呼ばれている。
すでに19世紀末から20世紀にかけて「敗者の増大」・「階級対立の激化」などで「自由主義」は破綻し、社会経済的規制や福祉政策等の強化を内容とする「福祉国家」体制をとらずには資本主義という制度が維持できなくなっている。
これが現代資本主義の特徴だ。
比職的にいえば、「体力の十分な若き資本主義」の頃とは違って、「老化した資本主義」には国家によるさまざまな「杖」や「薬」・「行動規制」が不可欠なのだ。
にもかかわらず、この「不可欠なもの」を邪魔もの効率を阻害するものとみなし、すべてを市場・競争原理に委ねよ、国民は国に頼らず「自立・自助」で生きよ、というのが「新自由主義」の主張・イデオロギーである。
「夢よもう一度」という時代錯誤の復古、王義であり、反動思想である。
かこのようなイデオロギーに導かれた「改革」が、「新自由主義改革」(その政治版は「新保守主義改革」)にほかならない。
こういう「改革」が、資本、王義の矛盾拡大を背景に、70年代の半ばから国卒際的に提起されるようになった。
日本でも同様で、ただそれが体系的に打ち出されたのは80年代初章頭の臨調「行革」の提起であった。
80年代には、しばしばイギリスのS首相、アメリカのR大統領そして日本の中曽根首相が、「新自由主義改革の御21家」と呼ばれたものである。
とくにSは、「ゆりかごから墓場まで」(第2次世界戦後、イギリス労働党が掲げたスローガン)といわれたイギリス「福祉国家」体制を、これを支える母体である労働運動を弱体化させることで破壊するという「新自由主義改革」を強行した。
ほかにも彼女は「新保守主義」の立場から労働者・国民に冷たい政治を強引な手法でおしすすめたため、「鉄の女」の異名をとった。
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